患者さんの権利に関するWMAリスボン宣言

医の倫理綱領

医学および医療は、病める人の治療はもとより、人びとの健康の維持もしくは増進を図るもので、医師は責任の重大性を認識し、人類愛を基にすべての人に奉仕するものである。


1. 医師は生涯学習の精神を保ち、つねに医学の知識と技術の習得に努めるとともに,その進歩・発展に尽くす。
2. 医師はこの職業の尊厳と責任を自覚し、教養を深め,人格を高めるように心掛ける。
3. 医師は医療を受ける人びとの人格を尊重し、やさしい心で接するとともに、医療内容についてよく説明し、信頼を得るように努める。
4. 医師は互いに尊敬し、医療関係者と協力して医療に尽くす。
5. 医師は医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に尽くすとともに、法規範の遵守および法秩序の形成に努める。
6. 医師は医業にあたって営利を目的としない。

国際看護師倫理綱領

看護師の基本的な責任は、健康の促進、疾病の予防、健康の回復と苦痛の緩和の四つである。

看護師の必要性は多方面にわたっている。

人の生命や尊厳、そして人権を尊重することは看護にとって本質的なことである。

国籍、人種、信条、肌の色、年齢、性別、政治的もしくは社会的地位によって、看護は左右されない。

看護師は、個人、家族、そして地域社会にヘルスサービスを行い、また自分らのヘルスサービスと関連する他のグループのヘルスサービスとの調整を行う。

看護師と人々

看護師の第一職責は、看護を必要とする人々に対するものである。

看護師は、看護を行うに際して、個人の信仰、価値観、習慣を尊重する。

看護師は、個人的情報を守秘し、その情報を人に話す際には、思慮分別を働かせる。

看護師と実践

看護師は、看護の実践に際して個人的責任を持ち、また、生涯学習によって適切な能力を維持する個人的責任を持つ。

看護師は、特定の状況の実態に応じた看護の最高水準を維持する。

看護師は、責任を負う時または誰かに責任を任せるときには当人の能力について判断力を働かせる。

看護師と社会

看護師は、他の市民とともに、公衆の健康と社会的必要を満たすための行動を開始し、支持する責任を分担する。

看護師と協力者

看護師は、看護や他の分野における協力者と協調関係を持つ。

看護師は、協力者もしくは他のどのような人によって個人のケアが脅かされたときにでも、その個人を保護するために適切な行動をとる。

看護師と専門職

看護師は、看護の実践と看護教育にとって望ましい基準を設定し、それを実行する主要な役割を果たす。

看護師は、専門知識の核心を発展させることに積極的である。

看護師は、職業団体組織を通じて働きかけ、看護における公正な社会的・経済的労働条件を確立し、維持することに関与する。

〔1973年国際看護婦協会〕