理事長のご挨拶


順天堂越谷病院は、昭和43年に財団法人順天堂精神医学研究所の附属病院として開設され、平成元年4月に順天堂創立150周年記念事業の一端として、順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院として新たなスタートを切りました。
「順天堂」の歴史は天保9年(1838年)初代堂主佐藤泰然が江戸に蘭方塾を開いた時に遡ります。そして順天堂は医育機関を併設した西洋医学の医療機関として、日本で最も長い歴史と伝統を持っています。
幕末から明治初期に至る佐倉順天堂時代の先達が特に意を注いだことは第一に最新の医学、医療技術を導入すること、第二に患者に最善の医療を提供すること、第三に100名をこえる門人の教育に力を入れ、有為な人材を育成し世に送ることでした。
これ等何れの点に於いても大いなる成果があげられました。その結果、「日新の医学、佐倉の林中に生ず」と世にもてはやされ、更に明治2年、時の政府によって設立された大学東校(東京大学医学部の前身)の初代の教授陣の大多数が、順天堂の門下生によって占められることになりました。
この時代の順天堂の伝統、そして基本的哲学が現在もそのままの形で受け継がれています。
すなわち、近年の順天堂は、医学部においては、平成10(1998)年度文部省の学術フロンティア推進事業の大型グラント採択により、アトピー疾患研究センターが設立され、文部省ハイテクリサーチセンター整備事業として、平成13(2001)年度に老人性疾患病態治療研究センターが、平成15(2003)年度に(性差)環境医学研究所が設置されました。平成15年医学研究科(大学院)の中に感染制御学コースの設置がCOE「病院感染予防のための国際的教育拠点」として採択され、平成15年文科省リーディング国家プロジェクト「個人の遺伝情報に応じた医療の実現プロジェクト」への参画が決まりました。
これらの順天堂の教育研究と医療水準の高さから、平成16(2004)年度、東京都の公設民営化第一号として順天堂東京江東高齢者医療センターが立ち上がり、平成17(2005)年度から東京都練馬区の要請を受け、順天堂練馬病院が開院しました。この結果、本学は、本院である順天堂医院(文京区本郷 1,051床)を中心に静岡病院(伊豆の国市 577床)、浦安病院(浦安市 785床)、高齢者医療センター(江東区南砂 404床)、練馬病院(練馬区高野台 490床)、そして、ここ埼玉県には順天堂越谷病院(越谷市 226床)、総病床数3,533床という日本でも有数の病院群を形成しています。
上記の6つの基幹病院の基本的理念は、順天堂が建学以来掲げてきました“仁”の心に基づいた医療の推進であります。
その中にあって順天堂越谷病院は大学病院としての高度の医療を提供し、地域と結びついた信頼される総合病院を目指しています。
すなわち、当病院のメンタルクリニックにおいてはこれまで一貫して、順天堂大学医学部精神医学教室との緊密な協力体制のもとで運営され、臨床医学教育・研究の場としてはもちろん、「開かれた地域精神医療を実践する」との開設以来の基本理念を掲げて医療活動を続け、医学界だけでなく、地域社会からも大きな期待を寄せられてきています。緑豊かで静かな環境のなかにある当院では、最新の医療技術・設備とスタッフを結集して、病気の予防と治療を含めた高度な精神医療に取り組む一方で、社会復帰の研究にも力を注いでいます。
そのため、恵まれた自然環境を生かしてのデイケアやリハビリテーションなどの活動も積極的に行われています。また、産業精神医学研究室から企業にスタッフを派遣するなど、複雑化・高度化する社会のニーズに応えた医療活動を実践すると同時に、医学生・看護学生を受け入れ、卒前・卒後教育の場としての活動も行っています。
本越谷病院において特筆すべき近年の変革は、メンタルクリニック関連のみならず、全人的医療を実践し総合病院としての機能をはたすべく、本郷の順天堂医院と緊密な連携をとりながら、内科系診療の充実を計っております。
すなわち、順天堂大学医学部附属順天堂医院の総合診療科ならびに内科各科、皮膚科、脳神経内科などより専門医が派遣され、一般内科をはじめ消化器や循環器、呼吸器、腎・高血圧、糖尿病・内分泌、さらにはリウマチ、膠原病、脳神経、皮膚疾患などの難病の患者さんの診療にもあたっています。
このように、越谷市を中心とした近隣地域の医療のなかで大きな役割を果 たしつつ、地域と強く結びついた、信頼される内科系病院として順天堂越谷病院が十二分に機能し、人々の健康と幸福に貢献したいと願っています。
院長のご挨拶

順天堂越谷病院 院長 鈴木 利人
順天堂越谷病院は、昭和43年に財団法人順天堂精神医学研究所の附属病院として開設され、順天堂大学医学部精神医学教室との協力体制のもとに運営されてきました。そして、順天堂創立150周年記念事業の一環により、平成元年、精神医学教室の臨床活動の主な場を御茶ノ水よりここ越谷市に移し、順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院として新たなスタートを切りました。このような流れから、地域に根ざして開かれた病院をめざす地域精神医療を実践するという発足以来の基本理念は今も強く引き継がれています。
その中にあって特筆すべき近年の変革は、メンタルクリニック関連のみならず、全人的医療を実践し総合病院としての機能を果たすべく、本郷の順天堂医院と緊密な連携をとりながら、内科系診療の充実を計り、地域と結びついた信頼される総合病院を目指していることにあります。
順天堂大学医学部附属順天堂医院の総合診療科ならびに内科各科、脳神経内科、皮膚科などから専門医が派遣され、一般内科をはじめ消化器や循環器、呼吸器、腎・高血圧、糖尿病・内分泌、さらには膠原病・リウマチ、脳神経、皮膚疾患などの難病の患者さんの診療にもあたっています。
このような当院の一般診療における実績は、越谷市を中心とした近隣地域の医療のなかで大きな役割を果たし、広く埼玉県の人々の認識するところとなり、現在、埼玉県よりメンタルクリニック関連の226床に加え、200床の一般病床の新たなる開設が認可され、より充実した地域医療への貢献が期待されています。
このような中、私どもに与えられた使命は、越谷病院の歴史と伝統を踏まえ、病院を取り巻く社会的環境を勘案しながら職員が一体となって力を合わせ、さらに地域に密接した総合病院としての機能を高めることにあると考えています。より高いレベルの一般診療や、膠原病・リウマチ性疾患および脳神経疾患などの難治性疾患の充実した診療を求めて努力いたす所存でおりますので、何卒宜しくご支援とご鞭撻のほどお願い申し上げます。
診察方針
緑豊かな自然と静かな環境に恵まれた順天堂越谷病院は、開放的な精神医療を実践する場としては最適といえます。
木々の緑と季節を彩 る草花は、訪れる人にやわらかな印象を与える施設と、一人ひとりのスタッフが患者様のなかにとけ込み病気を把握する「暖かい医療」を特色とする当院を象徴するとともに、自立と社会復帰を目指す人々に安らぎを与えています。 高度に発達した文明社会にあって、人間の病態も大きく変わりつつあります。
新しい精神医療に取り組む当院では、これまでの精神科特有の閉鎖的な環境を取り除き、偏見や固定観念にとらわれない明るく先進的な「開かれた医療」を目指し続けています。
外来診療では、社会適応、社会復帰を目指すさまざまな症例に応じ、高度かつ専門的な治療が行われていますが、メンタルクリニック、内科のスタッフは選り抜きの人材が揃っています。
多様化する精神医療、治療医学から予防医学への変化への対応として、脳波トポグラフ表示装置、全身用X線CT装置、胃内視鏡カメラ、大腸ファイバー、腹部超音波、心臓超音波、呼吸機能検査、光線療法(白斑の光線療法は未実施)などの最新設備も導入、万全な体制を整えています。
また、作業療法・レクリエーション療法にも積極的に取り組み、デイケア部門を設置し、早期の社会復帰に取り組んでいます。
患者様を社会復帰に導くには、医療スタッフの充実はもちろん、近隣の理解も不可欠です。
当院では患者様が清潔で安心して明るく伸び伸びした生活が送れることを第一とすると同時に、内科をも充実し地域住民に愛され、患者さま主体の理想の病院となるよう努力しています。

医療安全管理指針
1) 安全管理の目的患者と医療従事者の信頼関係、医療に対する信頼のもとで、患者の救命や健康回復を優先で行われるべきものであり、患者を中心とした安全で質の高い医療を提供しなければならない。この実行のため全ての医療従事者は医療安全に取り組むものとする。
このため本方針は、順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院(以下順天堂越谷病院)における医療安全管理に関する基本方針を定めるとともに、院内の責任体制を明確にし、医療安全管理の具体的な推進方策について定めることを目標とする。
2) 順天堂越谷病院における医療安全管理の基本方針安全な医療を提供するためには、医療従事者一人一人が患者の安全を守る意識を持つことが不可欠であるが、近年の医療の高度化・複雑化等を背景に、医療従事者個人の努力に依存した医療安全管理が困難さを増している。
このため、順天堂越谷病院においては、医療安全管理の情報の共有化を最も大切に捉え、医療安全管理を統括する医療安全推進センター長、医療安全管理委員会、医療安全管理者を中心に組織横断的に取り組む体制を作る。また、常により質の高い医療体制を構築するため接遇に最も留意し、計画・実施・評価・改善の過程において継続的な見直しを行うことにより、医療現場の状況の変化に適切かつ迅速に対応できる医療安全管理を実施する。
さらに、医療安全管理に資する情報を本人と職員全体で共有し、組織における安全の構築をつくるため、医療事故・ヒヤリハット事例情報等の分析結果や、医療安全管理委員会等で検討・決定された事故予防対策等を速やかに全職員にフィードバックするとともに、関連する研修会を通じて医療安全管理に関する啓発や教育に努めるものとする。
沿革
1838(天保9年) | 佐藤泰然、江戸薬研堀に蘭学塾和田塾を開く。 (この年をもって順天堂創立の年とする。) |
1843(天保14年) | 泰然、堀田正睦の招きで佐倉に移り、佐倉本町に順天堂を開く。 |
1873(明治6年) | 尚中、下谷練堀町に病院を開く。 |
1912(大正元年) | 順天堂赤坂分院開業 |
1946(昭和21年) | 5月15日財団法人順天堂医科大学認可される。 (この日を順天堂大学の創立記念日とする) |
1967(昭和42年) | 財団法人順天堂精神医学研究所開設 |
1968(昭和43年) | 研究所附属順天堂越谷病院開院 |
1989(平成元年) | 順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院に改組 |
2003(平成15年) | 順天堂越谷病院に6号館(内科系外来棟)竣工 内科・皮膚科・神経内科の専門外来開始 |
2005(平成17年) | 診療科名称の変更 『精神科』 ⇒ 『メンタルクリニック』へ |
2018(平成30年) | 整形外科の専門外来開始 診療科名称の変更 『神経内科』 ⇒ 『脳神経内科』へ |
病院概要
名 称 | 順天堂大学医学部附属 順天堂越谷病院 |
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所在地 | 〒343-0032 埼玉県越谷市袋山560番地 |
電話番号 | 048-975-0321(代表) |
開設者 | 学校法人順天堂 理事長 小川 秀興 |
開設年月日 | 平成元年 4月1日 |
院 長 | 鈴木 利人 |
診療科 | ・メンタルクリニック ・内科 ・皮膚科 ・脳神経内科 ・整形外科 |
許可病床数 | 精神科急性期治療病棟(48床) -開放型(個室:4室、2床室:1室、6床室:7室)精神科一般病棟(178床) -閉鎖型(4病棟制) |
敷 地 | 21,986.4㎡ |


病院施設のご紹介
細かい配慮が行き届いた患者本位の施設づくり
開かれた精神医療を目指す当院では、周辺の豊かな自然環境と調和した設計のもと、「患者様本位 の医療」という基本姿勢がすべての施設に貫かれています。
手入れのゆきどといた広大な敷地には、桜をはじめ、数多くの樹木や草花が植えられ、四季折々に彩 りを添え、季節の移り変わりを感じさせてくれます。
美しい自然のなかで安らぎ、くつろぐことで、コミュニケーションの和も広がっていきます。
患者様の立場に立った、快適性の追求と温かな心遣いがあります。
外来待合室
広く、ゆったりとした外来待合室は、外来の患者様や付き添いの方が待ち時間を快適に過ごせるようにと配慮しています。


順天堂越谷病院のエコへの取り組み
順天堂越谷病院では地球環境に配慮し、以下のようなエコへの取り組みを行っています。
1.プラスチック削減への取り組み
健康総合大学にある医療機関として、順天堂越谷病院はその削減に更に積極的に取り組み、進めていく事が使命であると考えております。
①当院では地球環境に配慮し、2020年7月からお薬渡しの際のレジ袋(外袋)を廃止させていただきました。
②院内のテナント業者や自動販売機設置業者にも協力いただき、ペットボトル飲料をなるべく紙パック飲料や缶飲料に切り替えていくなどの働きかけを行っています。
③当院の会議などでお水を提供する場合は、ペットボトルではなく、紙パック製のお水を提供しております。
2.廃棄物分別の徹底による再資源化の推進
ゴミの分別を徹底し、リサイクルの推進に努めています。
3.節電の徹底
①空調における適切な温度設定
②時間帯に応じた照明の点灯・消灯
③エレベータの一部停止
④便座の保温停止(夏季)
⑤毎月1回、節電パトロールによる節電の啓蒙
4.エコマーク商品の導入
文房具等購入の際には、エコマークに認定されている商品を導入するよう進めています。
組織図
